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Channel: タカ派の囲碁評論家:きっちゃんのブログ
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徹底検証:溝上8段 対 河成奉

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 韓国アマネタが止まらない。注目の一戦、溝上8段対河成奉は、勢いの乗る韓国アマ河成奉の圧勝で終わった。溝上8段といえば、かつては将来を嘱望されたホープである。少年少女囲碁の小学生大会優勝の実績もあり、才能はかなりのものである。今でこそ中堅クラスに甘んじているが、新人王のタイトル獲得や三大棋戦リーグでの実績も豊富にある、準一流クラスといっていい棋士である。それほどの棋士が、今や若手ともいえない中堅韓国アマに、これほど完膚なきまでにやられてしまうことの意味は、極めて大きいと考える。そこで、この敗戦から見えてくる日本プロの弱さを、複数回にわけて徹底検証してみたい。
 まず今回は、ざっと今回の碁の内容を振り返ってみる。溝上8段の白番。お互い空き隅をしめあって、辺へと展開していく、じっくりした展開。白は下辺に構えるが、黒25と下辺に打ち込んでいく。これが急所で、結局黒は下辺にそこそこの地をもって生きて、白は厚みを築く分かれ。しかし、薄い厚みで、早くもいやなムードが流れ始める。白は厚みを生かすべく、左辺から迫るも、黒は41、43と手厚くかまえる。焦り気味の白は時間を大量に投入しつつ、必死で上辺を盛り上げる。しかし、手なりで53と分断されると、にわかに右辺の白がうすい。これを担ぎ出すのだが、黒は57、59、61と流れるような石運びで、上辺の白模様を制限しつつ、右辺の白をにらむ。白は惜しみなく時間を投入して反撃するも、黒は流れに逆らわず自然と上辺になだれ込む。ならばと、白74と今度は左辺を盛り上げて、中央キリをにらむも、75と盤石の守り。優勢意識がうかがえる。続いて、79、81と常用の筋で、左上の白地を制限、白の劣勢はさらに明らかとなる。おそらく、このあたりでは既に白は秒読みに追い込まれている。地合いの差はさらに広がり、105から下辺の白に対し、コウを仕掛ける。黒から見て花見にダンゴ付きのコウ争いを強いられ、白の苦境がますます明確に。結局、下辺から左下に見込んでいた白地がガラガラとなり、下半分の白石全体に目があるのかないのかといった惨状を呈してしまう。極めつけは、166とおそらく時間つなぎでうったつき出しをすっぽかされて、右辺の特大のヨセに回られ、逆に二子をもぎ取られてしまう。幽玄の間で見ていたのだが、あたかも悲鳴が聞こえてきそうな展開が繰り広げられる。そこからさらに、数手棋譜を汚し、損を重ねて、ああ、これはもう投げるしかすべがないなと観念した瞬間、黒中押し勝ちのテロップが浮かび上がったのであった。最後は何と盤面で30目近いほどの大差での投了であった。
 と、まあざっとこんな感じであった。溝上8段のまわしに手がかからない完敗というか、河成奉の影をもふませない圧勝劇というか、数ある対韓国アマ敗戦の歴史の中でも記憶にないほどの一方的な内容であった。さて、この敗戦が偶然なのか、必然なのか、じっくり検証していきたい。
 
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